式辞で校長先生は、「新年を新たな気持ちで迎えてくれたものと思います。そして新たな抱負・目標もつくったと思います。これまでの式辞では考え続けることの重要性を述べてきましたが、今日はことばのことについて話をしてみたいと思います。ことばを考える上では辞書が必要です。英和辞典は毎日使っていると思います。また古語辞典や漢和辞典を使うことが多いはずです。昨年は国語辞典を見直すきっかけとなった年でもありました。「舟を編む」という国語辞典を編纂する映画が公開されたり、「辞書を編む」という新書本が出版され、辞書をつくるということが注目されました。その国語辞典についてさらに述べたいと思います。一点目は国語辞典には特徴がある、個性があるということです。対象によっても、また、語釈にも個性があります。二点目は辞書の用例をしっかり読んでほしいということです。用例採取によって辞書は考えられ、編纂者が議論して語釈が考えられるそうです。用例をしっかりと読んで、語釈に返って理解してほしいと思います。三点目は辞書を読んでほしいということです。一般的に辞書は引くものとされますが、ものごとは関連づけて覚えたり、周辺知識を会得すると興味が深くなるものです。一つのことばをひいて、その用例を次々と読んだり、そこに出てくる文学作品の原典にあたったり、近くの同音異義語を調べると、ますます興味関心が深まるものではないかと思うのです。「辞書をひく」から「辞書を読む」につなげてください。考えるためには豊かな語彙が必要です。さらにことばの正確な理解が必要です。ぜひ国語辞典を手元において、しっかりとことばに触れ、考えてほしいと思います。」と述べられました。 |