2学期終業式(平成27年12月24日)

國府島校長 式辞 (要約)
 今年の話題で、科学技術、特に技術開発の成果を振り返ってみる。
 ノーベル賞の医学生理学賞で、微生物研究者である大村 智さんが受賞されたことは存知のとおり。大村さんは、細菌が作り出す化学物質が、寄生虫の特効薬として効果があることを発見して、アメリカの大手製薬会社と共同研究により、その物質を薬にすることができた。その薬は、年間3億人が使用している。また昨年のノーベル賞では、青色発光ダイオードの研究開発者・技術開発者が物理賞を受賞した。LEDも電気使用量を大きく削減することになる。ノーベル賞が、基礎科学の研究だけでなく、実社会への貢献が大きい技術開発分野に2年続けて日本人に与えられたことはとても喜ばしい。
 日本国産のジェット機MRJが初めて空を飛ぶことになる。戦後、国産飛行機はYS-11
という小型プロペラ機を開発したが1980年代に終わり、それ以降国産飛行機は飛んでいなかった。そのような中、日本の技術者が設計して、最終組立てを国内で行うという日本の技術力の高さを示した意義は大きい。この航空機部品では、倉敷の部品メーカーもこのMRJに部品供給している。
 8月国産のロケットH-UBが国際宇宙ステーションへ無人補給船「こうのとり5号」を運んだ。これから各国が自前の人工衛星を打ち上げることが予想される。H-UBやその小型のH-UAが打ち上げロケットとして商用に使われることが見込まれる。
 自動車の自動運転の試作車を公道で走らせ始めた。ここでの自動運転車は、運転者は乗車するのだが、緊急時以外はすべて自動で運転するという試作車である。2020年までには、自動運転をこのレベルまで東京で普及させる、更に2020年代後半以降には完全な自動運転の達成を国は目指している。
 日本の良さは、伝統文化だけでなく、科学技術分野も誇れることが数多い。皆さんには、その科学技術の内容を積極的に知り、外国の方々との会話でも、日本文化だけでなく科学技術を話題にできるようになって欲しい。近い将来、皆さんの中にも、今日話した内容に関わる仕事をしている人も多々いると思う。
 また、本校のSSHでも、「ものづくり」を大きな柱にしている。それを基にしながら将来の科学技術者を育成するというプログラム開発をしている。本校の皆さんには、SSH指定校であるということもあり、科学技術に興味関心をもって欲しい。

 


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